お役立ちコラム

2023年07月13日

No. 1 いま、なぜファシリテーションが必要なのか?

これまで、組織のリーダーに求められることといえば、メンバーに的確な指示を与え、成果に向け、率先垂範してリードすることを期待されてきました。環境が安定し、進むべき方向性がはっきりしている場合には、効率的なスタイルといえます。

求められるリーダーの変化

一方で、現代を表すキーワードとして、最近、ビジネスシーンでも耳にすることの多くなってきたVUCA。元は軍事用語である、Volatility(不安定) Uncertainty(不確実) Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧)という4つのキーワードの頭文字をとった略語として使われ、環境変化が激しく、先の見えない混沌の時代の象徴として使われるようになってきました。こうした、めまぐるしく変わる外部環境に合わせて、組織内部も、指示命令に適したヒエラルキー構造からフラット化に移行、人材の価値観や就労観、ひいては雇用形態までもが多様化するなど、組織内外が今、大きく変貌しています。

そうした中、現場のリーダーは、これまで通りの指示型のコミュニケーションに頼ることに限界を感じているのも事実ではないでしょうか。

そして、人事をはじめとするスタッフ部門も同様に、全社の決定事項を現場に「下ろす」「伝える」だけではなく、いかに現場の「声」や「知」を集め、それを踏まえて新たな案を協働によって生み出す、「経営や人事」と「現場」の一体型のプロセスが「場」としてデザインされるかが、期待されています。

そこで今、注目されているのが、ひとりひとりの意志やアイデアを引き出して、全体としての価値に変換するファシリテーションです。ファシリテーション(Facilitation)の接頭語である(Facil)は、ラテン語でeasyを指し、促進する、容易にすることを意味します。
このファシリテーターは、組織に根ざす課題や要因をリーダー1人の力ではなく、メンバーの力を引き出して、容易に事が運ぶように、促す人のことをいいます。

場の力を引き出すのは「相互性」

そこで、大事になってくるキーワードは、互いの力を活かしあう、『相互性』です。

ファシリテーター、参加者、どちらか一方が「頑張る」のではなく、お互いの力を活かしあい、落とし所のない、期待を超えた新たな価値を共に創りだしていく、まるで即興ダンスを楽しむような遊び心を持ってフロアに立つこともファシリテーターとして求められます。

そういった意味では、場の成功は、ファシリテーター(ダンサー)と参加者(パートナー)と問い(リズム)の三位一体であり、一緒に踊る、共に場を創る、歓びを見つけることが必要です。
そして、頭ではなく、相手のハートに目を向け、好奇心を持つこと。「結論」に誘導することを急がない腹括りも求められます。

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