2015年09月28日
現在、宣伝会議社の「広報会議」という雑誌で、 「周年イヤーの迎え方」という連載記事の執筆を担当しています。
※ご参考※
広報会議 『長寿企業の極意「周年イヤーの迎え方」』
■ユナイテットアローズ様 25周年
■岩崎電気様 70周年
■BASF様 150周年
ここでは周年を迎えられた企業を訪問し、取組みや成果をお伺いしています。
また、弊社がお手伝いしている大口のイベントの多くが周年記念絡み、ということもあり、
多くの企業の周年記念の情報が集まってきます。
周年の取組みや成果に対して、経営陣や事務局が最終的に満足している企業とそうでない企業の差、
特に社員に何らかのポジテイブなインパクトを残すことができた企業と、そうではない企業の差は顕著です。
その差は、周年の取り組みがただの『ACTION』で終わっているか、
周年を機にした『LINK』の取組みになっているかにあります。
周年の機会に取り組めることはたくさんあります。
イベントはもちろん、社史の発行、キャンペーンやプロモーション、
記念配当や植樹、ノベルティ制作、CI・CVの変更、記念商品の販売など、様々です。
「その活動、周年の機会じゃなくてもいいのでは?」と突っ込みを入れたくなることもしばしば(苦笑)。
これらの取組みを分類・整理すると、下記のようにACTIONという頭文字で表現することができます。
【A】nniversary:記念
【C】elebration:祝賀
【T】hanks:感謝
【I】ncentive:報奨
【O】peration:行事
【N】ews:広報・告知
周年の取組みの大半はこのACTIONの観点で網羅されます。
大切なことはあくまで目的。
先日、取材をさせていただいた60周年を迎えたある企業様は、
周年を機に創業の経緯やこれまでの歴史の裏側にあるエピソードを克明に記載したHistory Bookの制作や、
記念HPの開設、記念イベントに向けた各種準備に社員を巻き込んで進められていました。
目的は、創業の理念やこれまでの歴史の裏側にある自社’らしさ’を社員に改めて深く体感的に理解してもらおう、
というものです。
競争が激しくなり、変革が必要な今だからこそ、その変革の軸となる自社の強みや’らしさ’を継承することが大切、
と考えられていました。
周年の機会は、日常の仕事・業務の枠組みや時間観を越えた全社単位の活動を行う絶好の機会です。
ここでいう全社単位の活動とは下記のようにLINKという頭文字で表現できる4つの観点に整理できます。
【L】inkage:接続
【I】ntegration:統合
【N】ext Stage:変革
【K】eep Up:継承
周年を機に、
①自社のブランドイメージや事業メッセージを社会や顧客に強く接続する(Linkage)、
②自社のインナーブランディングを高め、一体感を醸成する(Integration)、
③ビジョンの実現に向けてあらゆることを変革する(Next Stage)、
④自社のDNAや変わらぬ理念を継承する(Keep Up)。
周年の機会を、ただの通過儀礼や忙しい行事に終わらせてしまうか、
社内外のブランディングを高め、未来に向けた組織の変革に繋がる価値ある活動になるかは、
プロジェクト初期の段階でLINKの観点を意識できたか否かにあるのではないでしょうか?