支援事例

株式会社ジンズホールディングス

「ブランドエバンジェリスト育成プロジェクト」

「理念を軸として、自律・ボトムアップの組織風土への変革を」
その起点となる”エバンジェリスト”をゼロから創り上げていく

株式会社ジンズホールディングス

「Magnify Life」というビジョンを掲げ、アイウエアブランド「JINS」を展開する株式会社ジンズホールディングス。ビジョンの実現に近づくため、2021年に理念体系を改定。新理念を軸として、社員の自律的な行動を促し、ボトムアップの組織風土への変革を実現するために、ブランドエバンジェリスト(=ブランド成長のためのアクションを自ら行い、周囲に好影響を与えられる人材)を育成し、エバンジェリストを通じて全社員の意識変革を狙う「ブランドエバンジェリストプロジェクト」を発足。第一フェーズ(育成フェーズ)として、全5回のワークショップを通じてエバンジェリストの育成を実施。理念やジンズブランドの解釈レベルの向上や、ブランドを進化させるための取り組みの企画及び経営への提案を通じた育成を行った。※第二フェーズ(実践フェーズ)は今も継続中。本プロジェクトを推進した担当者の後藤様にお話を伺った。

目的:新理念を軸とした「自律・ボトムアップの組織風土」への変革
施策:ブランドエバンジェリスト育成プロジェクト
ゴール:組織風土変革の中核となる人材「エバンジェリスト」の育成と「エバンジェリスト」を通じた社員の意識変革
対 象:エバンジェリスト候補者 17名(次世代リーダー層)
形 式:エバンジェリストを対象としたワークショップを全5回実施

株式会社ジンズホールディングス 人事戦略本部 人事戦略部
インナーブランディンググループ シニアプロフェッショナル

後藤 理絵 様

ホールディングス全体にむけたインナーブランディングを担当。 本プロジェクトでは、理念体系の刷新から浸透までの全体の設計から、ワークショップの実施までを統括。

本事例のサマリ

本施策の目的
【読んでいただきたい方】
・組織風土変革の取り組みに興味がある方
・ミッションやビジョンの従業員への浸透を図りたい方
・経営メッセージを深く理解し体現できる「次世代リーダー」の育成を行っていきたい方
成功のポイント
【学びポイント】
①理念浸透における陥りがちな罠と抑えるべきポイント
②風土変革を実現するための効果的なアプローチ方法
③経営や現場を巻き込んだプロジェクト設計のポイント

ビジョンへの共感とは「いいね」ではなく「自分がやりたい」

Q.エバンジェリスト育成プロジェクトを発足したのはどうしてですか?目的や狙い、ゴールをお聞かせください

「受け身の組織風土を変えたい」というのが一番の課題感であり、目的ですね。その背景として、弊社は創業社長のリーダーシップが強いため、会社や事業の成長拡大を社員の力で成し遂げてきたという実感値や自信を持ちづらく、受け身になりやすいのかなと思っていて。なので、一人一人の社員が、自分が会社を変えるんだ、変えたんだ、変えられるんだと強く意志を持って動けるような会社にしていきたいと思っていました。
その原動力や目指す方向性として、理念・ビジョンがあるわけですが、弊社は社内調査において「理念への共感度」はとても高く出る会社なんです。でもその共感の定義を変えていかないといけないと思っています。共感度って、会社がやろうとしていることに「いいね」と思うだけじゃなくて、「自分がやりたい・やろう」と思えるかが本当の意味での共感。今はまだ「いいね」と思っている社員が多い状況です。ビジョン実現のために、自分から「会社を良くしたい」「新たな挑戦をしたい」と思える社員を増やすこと、それができる力をつけること、そしてそういう人が魅力的に感じられる風土を創っていくこと。それがこの取り組みを通じて目指していることです。

 

Q.経営や外部を巻き込む難しいプロジェクトを発足することに、不安や躊躇はありませんでしたか?

インナーブランディングの担当者として、私が日々行っている業務が基本的に「理念の発信」です。目指す姿や理想を伝え、共感を募っていくことがメインなのですが、先ほど共感のお話でも話したように「これだけでいいのかな?」とずっと課題感を感じていたんです。
本当の意味での「共感」を実現したい、その上で社員一人一人の「行動変革」までを実現したい。ある意味私がずっと課題に思ってきたことを形にしたのがこのプロジェクトなんです。なので、とても大変なプロジェクトでしたが逃げずに取り組もうと思っていました。

エバンジェリストとは、ジンズ を良くしたいと思い行動する“ファーストペンギン”

Q.エバンジェリスト育成プロジェクトは、実際にどのようなことを行ったのでしょうか?

役割範囲を超えた新しいアイデアや行動でジンズを良くする「ロールモデル=エバンジェリスト」を輩出し、社員の挑戦を後押しする組織文化を創っていくというプロジェクトです。
2022年3月からスタートしており、最初の半年は「育成」フェーズ、それ以降は「実践」フェーズとして活動を行っています。エバンジェリストは「ジンズを良くしたい」と手上げで集まった次世代リーダー層の17名。育成フェーズでは、全5回のワークショップを通じて”ジンズのブランドを進化させるために今取り組むべきこと”を経営に提案する「エバンジェリストプランの提案」を行いました。理念やジンズブランドの解釈レベルを高めたり、経営視界を獲得したり、企画力・提案力を高めたり、、、と能力開発も必要だったので、外部の有識者を招いたプログラムを入れ込んだりと、設計には工夫を凝らしましたね。ワクワクする内容にすることが大切だと思っていたので、リンクさん(=リンクイベントプロデュース)の知見をいただきながら、とにかく私自身が受けたい内容になるようこだわって設計しました。
実践フェーズは今まさに活動中で、育成フェーズでの提案を実行に移すフェーズに入っています。まさに”ファーストペンギン”が生まれていっている最中です。

Magnify Lifeの実現に向けて

 

Q.プロジェクト推進において特に意識されていたことは何ですか?

「全社を巻き込む」ということを何よりも意識していました。結局、限られた人のための活動だと思われてしまうとそこで分断が生まれてしまうので、全社に影響を与えることができないと考えていました。
だからこそ育成フェーズの段階から、外部有識者の講演は全社員が見られるようにしていて、その際に「エバンジェリストとは何か」という話を毎回繰り返し伝えていました。そのおかげで、エバンジェリスト以外の社員にもこのプロジェクトの認知・理解が進んだと思います。

エバンジェリストだけでなく、経営やエバンジェリストの周囲にも変化が起きている

Q.実際に取り組んでみての成果はいかがですか?

今は実践フェーズですが、経営からFB(=フィードバック)をもらいながら、みんな果敢に新たな取り組みの実践に挑戦しています。当初は、通常業務と平行した活動になるため、エバンジェリストの負担が増えてしまうことを気にしていたのですが、エバンジェリストのみんなが「この活動がとにかく一番楽しい!」と言ってくれていて、それがとても嬉しいですね。
また、このプロジェクトの過程で経営側の姿勢も変わってきているように感じています。エバンジェリストの提案に対して、まず賛同をして、前向きに意見をくれて、実行にむけて積極的に協力をしてくれるシーンが増えています。これまでも経営に提案をする研修や提案コンテストのようなことをやったことはあったのですが、まったく実現に至らず・・・。それから比べると大きな変化だと思っています。自分の役割を越えて新しいことをやっていく気持ちがある人を後押しするような組織風土が醸成されてきている実感があります。

実際のワークショップ資料

 

プロジェクト実施後の変化について語る後藤様

 

リンクイベントプロデュースにしか頼めなかった

Q.当社を選んだ理由や、実際に選んでよかった点があれば教えてください

そもそも「風土を変えたい」「その起点となる人材(エバンジェリスト)を創っていきたい」と思ったときに、どうすればいいのか全く分からない状況でした。研修とも違うしなと…。
そんな中で、インナーブランディングにも精通しており、組織人事領域(育成・研修等)の知見も深いリンクさんしか相談相手が思いつかなくて…。2018ー2019年に1年間、全社のインナーブランディング活動のご支援をいただいた際の信頼もあって、リンクさんならカタチにしてくれると思ってお声がけしました。
目的と目指すゴールしかないふわっとしたご依頼だったにも関わらず、短期間で企画をカタチにしてくださって感謝しています。また、経営や現場を巻き込むプロジェクトだったので、制作過程においても関係各位から様々なご意見をいただくことも多く、何を軸に意思決定したらよいか迷うことが多くありました。その際にリンクさんから、目的に立ち戻ったアドバイスをいただきながら進められたことで、目的や軸をブラすことなく進めることができました。
絶対に失敗できないというプレッシャーから、弱気になったことも何度もありましたが、その度に喝を入れ続けてくださったので、覚悟を決めることができました。(笑)本番でもファシリテーターの方がとっても上手で、このプロジェクト設計とクオリティは自社だけではとてもできないなと感じています。

 

育成がゴールではない。エバンジェリストを通じた組織全体の風土変革までを実現していく。

Q.今後の展望をお聞かせください

エバンジェリストのみんなが、組織のファーストペンギンになって、周囲の意識変化を生み出すこと。また、エバンジェリストを増やしていくことで、組織全体の風土変革までを実現することですね。
そのためにも、まずは今進めている実践フェーズにおいてしっかりと成果を出すこと。その先に第2期生・3期生とこの取り組みを継続・拡大していくことを見据えたいと考えています。
今まではボトムアップの提案が実行にまで至らないことが多かったので、実行まで進んでいることがまず成果だと思っていますが、そこで満足せず成果を追求して成功体験を重ねていくことにこだわりたいです。

今後の展望をワクワクしながら語る後藤様

 

本事例のサマリ

本施策の目的
【読んでいただきたい方】
・組織風土変革の取り組みに興味がある方
・ミッションやビジョンの従業員への浸透を図りたい方
・経営メッセージを深く理解し体現できる「次世代リーダー」の育成を行っていきたい方
成功のポイント
【学びポイント】
①理念浸透における陥りがちな罠と抑えるべきポイント
②風土変革を実現するための効果的なアプローチ方法
③経営や現場を巻き込んだプロジェクト設計のポイント
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