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新中期経営計画の浸透を促進させる、新たな経営方針説明会のカタチとは?
ICTインフラ基盤を、つくり、まもり、最適化するスペシャリストとして、金融、製造、公共、医療などの様々な領域のお客様を通じて、社会の生命線を支えるユニアデックス株式会社。同社が2021年度に新たに策定した中期経営計画のお披露目の場となったのが、毎年4月に開催されている「経営方針説明会」でした。そのため、より注目度と理解度を最大限に高める必要がある中、コロナ禍でやむなくオンライン開催に切り替わることに…。こうした変化を好機と捉え、見事に新たな「経営方針説明会」のカタチを生み出した担当者のお二人にお話を伺いました。
経営企画部 経営企画室 室長
宮崎 純 様
中期経営計画の全体施策として、計画の策定から社員への浸透までをミッションとして担う責任者。
経営企画部 経営企画室
伊藤 佑考 様
長年エンジニアを経験し、2年前に経営企画部へと異動。今回、初のオンライン経営方針説明会の責任者という大役を務めた。
本事例のサマリ
宮崎:当社は2021年4月から新たな中期経営計画(以下、新中計)がスタートしました。そのメッセージとして「カスタマーサクセス」を掲げ、お客様とのリレーション強化とともに、組織再編、組織能力の向上、新たなサービス開発力の向上など、経営戦略としてイノベーションを起こしていきます。その新中計を発表する最初の機会となるのが、毎年4月に全社員を対象に開催されている経営方針説明会の場であり、これが非常に重要な位置付けになると考えていました。
宮崎:新中計をスタートダッシュさせるためには、ファーストインパクトが重要だと考えていました。というのも、私自身、前回の中計の浸透を担当する中で、どうしても経営側からの一方向な発信が多く、社員がそれを受信し、そこから意識・行動に繋げるまでに、かなりの時間がかかってしまった印象がありました。もっとスタートの段階で、会社が目指す姿、変化の必要性を伝えるとともに、「自分には何ができるんだろう」と自分事として捉えてもらうことができれば、今後3年の計画を実行する上で後々すごく効いてくると感じていたのです。そこで、今回の経営方針説明会のコンセプトを「新中計の認知・理解を通じた、さらなる組織力の向上」と掲げました。
伊藤:毎年行われている経営方針説明会は、基本的に前半が社長・経営陣からの経営方針の発表、後半が社員表彰というプログラム構成です。コロナ以前は、約2,000人以上の社員を東京の会場に集めて開催し、会場にこれない東京エリア以外の社員は、パブリックビューイングという形で視聴してもらっていました。しかし、前回の2020年はコロナの影響で、録画した社長メッセージのみをビデオ配信する形となりました。今年度は、新中計の発表をリアルタイムで伝えるためにも、本来のプログラム構成に戻し、コロナ禍が続いていることから初のオンラインでのライブ配信に踏み切りました。
宮崎:やはり、「目の前で社長の声を聴く」のと「画面を通して見る」という視聴環境の違いは大きく、映像配信では、映像を見たい人だけが見る、見たい部分だけを見るという状況にありました。特に表彰式は課題で、表彰されない社員からすると興味のないコンテンツであり、会場開催時でも経営方針説明だけを聞いて帰ってしまう方がいたり、映像配信でも視聴率は半分以下に激減していました。このままでは、自分事として捉える意味では弱すぎる……という課題感があり、経営方針説明会自体を大きく変化させる必要性を感じていました。
伊藤:これまでずっと内製でやってきましたが、今回全社一斉のライブ配信を考えた時、大規模なオンラインイベントの企画運営ノウハウも技術的な知識もありません。また、自社だけの発想では良くも悪くもいつもの感じになり、変化を出さなくてはいけない中で、内製のままでは限界があると判断しました。
宮崎:LEI(リンクイベントプロデュース)さんへの決め手は、企画や実績において信頼のおける存在だったことです。経営方針の浸透は、経営方針説明会で一発ドーンの打ち上げ花火で終わりではなく、その次を踏まえて考える必要がありました。そうした中で、LEIさんは当社を深く知ろうとしていただき、全体像を踏まえたご提案をいただけたこと。さらに、これまでの豊富な実績に裏打ちされた、浸透施策イベントにおける効果的な企画演出をご提案いただくなど、圧倒的な信頼感がありました。
伊藤:経営方針説明会において、新たな挑戦となったのがこれら4つの取り組みでした。
1.オンラインでのライブ配信
2.新中期経営計画の導入ムービーを組み込むこと
3.オンライン上で双方向性の実現
4.表彰式の在り方を変えたこと
さらに、全体は3時間。3時間って映画でも長いですから、参加者視点で「社員を飽きさせない」「参加している感を出すこと」を目的に置き、「なんか違うぞ」と変化を感じ、何か自分に落とし込んでいただくというストーリーを目指しました。
宮崎:前半部分では、新中計発表の前に、導入ムービーとして自分たちと近い現場の社員の声で『カスタマーサクセス』への想いを語り、イメージを高めてもらいました。その後、社長の新中計プレゼンでは、リアルタイムにチャットで感想や気づきを書き込んでもらって双方向性を実現しました。
伊藤:一番変わったのが、後半の表彰式でした。これまで受賞者が表彰されてコメントを話すだけというものでしたが、今回は、受賞者にスポットライトを当てながらも、ターゲットを非受賞者(表彰を見ている社員)に振り切りました。そこでは、まさに『カスタマーサクセス』のロールモデルとなる受賞プロジェクトに対して、そこにどういう苦労があり、どう乗り越え、お客さまからどういう評価をいただいたのかを伝えることで、表彰を見ている社員たちが共感したり、考えさせるポイントを意図的に作りました。
宮崎:今回、率直に言って、想像以上に良いスタートを切れたと思っています。まず嬉しかったのは、最初から最後まで集中して見てくれた社員が増えて、昨年よりも離脱率がグンと減ったこと。そしてなにより、シャイな人の多い社員が、意外にも活発にチャットをくれて、見ているだけで興奮しましたし、すごく盛り上がったんです。そうしたチャットやアンケートの感想では、「自分もこうしていきたい」といった今後の行動変化に繋がる声が多かったのが印象的で、私たちからの発信に対し、自分自身でしっかりと受信をして、行動変化を起こそうとしていることがリアルタイムで実感できたのです。それがいつもの経営方針説明会とは違うなと変化を実感した部分です。
伊藤:やはり、アンケートを見ても、新中計に最初に触れたファーストインパクトとして、「なんか仕掛けてきたな」「変わらなきゃいけない」「一歩踏み出さないといけない」と、社員にはいろんな形で残ってくれましたし、なにより「見ていて楽しい会でした」という言葉は素直に嬉しく、なかでも「今までで一番良かった」という言葉を見た時には胸が熱くなりました。
宮崎:振り返れば、当日私が一番印象に残っているのは伊藤君なんです。二人で進行を見守っている中で、すごく心配だったポイントがうまく流れた時や想像以上に社員がいいコメントをしてくれた時に、伊藤君がこう小さくガッツポーズするんですよ。その気持ちが本当に良くわかったし、いい場をつくってくれたな、って涙ぐみながら見守っていました(笑)。そんな変化を感じてか、終了後にかけられる言葉やフィードバックの量の多さ、反響の大きさは、前回、前々回とは大きく違いました。そして自ら経営方針を語ってくれた経営陣からも高く評価していただき、この後、全国各地で行われる新中計の浸透活動に向けて、より強くコミットしていただく原動力となってくれました。
また、経営方針説明会後に実施したエンゲージメントサーベイでは、理念の共感に関するスコアがこれまでになく上昇したんです。経営方針説明会だけが要因ではないかもしれませんが、大きな影響は与えたなと実感しています。
伊藤:チームの一体感の醸成だと思います。初めてのことばかりで、最初はジャッジしたり意見することに対して、私もメンバーも不安がありました。しかし、今回の説明会は従来のままだと参加者にとって有益ではない。オンラインだからといってリアルイベントの代わりでもない。だからこそ、参加者視点に立って「社員を飽きさせない」など、目的を決めてチームやLEIさんとで常に共有し、徹底して考え抜いたことで、参加者にとって有益な会、次のアクションにつながるきっかけとなる会にできたのだと思います。
宮崎:会社として成長していくためには、イベントや施策においても毎回同じでは厳しいと思います。経営方針説明会も、自分たちで上げたハードルをいかに超え続けられるか。逆に超えられるハードルを飛んでも成長はないですから、1センチずつでも高く設定をして超えるという試練を繰り返すしかない、私はそう思っています。そのためにも、今回はLEIさんのようなプロの視点、外部からの視点は非常にありがたかったですし、一緒に上を目指そうとするチームで挑めたのは強かったと思います。今回の成功を踏まえ、この後の浸透施策との連携や新たな取り組みなど、やるべきことは嬉しいかな山のようにあるので、『カスタマーサクセス』の実現に向けて、これからもユニアデックスは更なる高みを目指していきます。
本事例のサマリ