支援事例

パーソルキャリア株式会社

Mission Value Day

約5,000名の社員総会をオンラインにて実施
会社のMission/Valueへの情熱、本気、重要性を感じるきかっけとする場づくり

パーソルキャリア株式会社

パーソルグループの戦略ビジネスユニットの一つであるCareer SBU※は、同SBU社員、約5,000名が一堂にオンラインで会する「Mission Value Day」を開催しました。 同SBU のMission/Value を軸に、これまでの自分の仕事を振り返り、未来を志向して今の仕事に繋げることを目指し、心を一つにした初めてのオンラインイベントの実現に奔走した事務局メンバーの4名にお話を伺いました。
※Career SBU:パーソルキャリア株式会社、パーソルキャリアコンサルティング株式会社、シングラー株式会社、株式会社ライボ、株式会社ベネッセi-キャリア

約5,000名が1つになり、Mission/Value を考える1日をつくる

Q.第1回目となる「Mission Value Day」の実施背景をお聞かせください。

山田: 2020年4月、パーソルグループでは事業体制の変更があり、5つの戦略ビジネスユニット(SBU)体制となりました。人材紹介や転職メディアを担うCareer SBUでは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現に向けて、Mission「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」と、その推進のために大切にしたい価値観(Value)「外向き・自分ゴト化・成長マインド」を掲げています。

原田: 「Mission/Valueを軸に経営を推進する」という経営陣の確固たる意思があったのですが、経営陣だけではなく全社員がその思いに共感し行動することが重要だと考えていました。その本気度や重要性を熱量とともに伝えていくためには、「時間と空間をともにする場」が必要だと感じ、Career SBUスタートのタイミングで、イベントを実施することが決定しました。

山田: Career SBUに属するのはグループ5社、総勢約5,000名になります。様々なバックグラウンドを持つ社員に対して、まずは「Mission/Valueを軸に経営を推進するという会社の情熱、本気、重要性を感じるきかっけとする場」をつくることをイベントの目的としました。イベントの名称にもこだわり一般的な「社員総会」ではなく「Mission Value Day」とし、場の名称から目的を明確化しました。
コンテンツはシンプルで、トップからのアプローチとして、Career SBU長である峯尾からのトッププレゼンテーションと、ボトムからのアプローチとして2019年に最もMission推進に向けValueを体現した社員がプレゼンをし、その場の社員投票により優勝を決定するMission Value Award(社員表彰)です。この2つをメインコンテンツとして、Mission/Valueへの本気度と熱量を感じ、Mission/Valueと自分の仕事を接続する1日とすることを目指しました。

Q.「Mission Value Day」の制作パートナーをLEIに決めた理由を教えてください。

戸井:パーソルグループ内の別会社から紹介されたパートナーの中の1社が、リンクイベントプロデュース(LEI)さんでした。最初のお打ち合わせの時、「御社にとって、Mission Value Dayの開催だけが目的ではないですよね。御社はどのような課題を持たれていますか?」とはっきり言ってくれたのが印象的でした。私たちの想いを理解し、どういう状態を目指していて、その中でMission Value Dayがどういう位置づけなのか、前後の施策はどうなっているのか。Mission Value Dayを課題解決のプロセスの1つとして捉え、「点」ではなく「線」で提案してもらえたことが決め手となり、パートナーとしてLEIさんにお願いすることになりました。

コロナ禍においても常に目的意識を強く持ち、全社を巻き込んで走り続ける

Q.新型コロナウィルスによって、「Mission Value Day」にはどのような影響がありましたか?

戸井:当初は社員が会場に集まる形式で、東京・大阪の2会場での開催を予定していましたが、2月後半から新型コロナウイルスの影響が拡大し、別の手段を考え始めました。経営も事務局も、Mission Value Day を実施する意義は感じていたため、中止という選択肢はないものの、3 ヶ月間かけて動いていた施策を全て捨てて、一から企画を練り直すことへの抵抗感はありました。時期をずらしてリアル開催する案や動画配信という案など様々なパターンが考えられましたが、私たちは「オンラインイベント」でいきたいと経営には上申しました。

原田:というのも、Mission/Valueの浸透という意味では、すでにテキストや動画、小規模な単位での研修といった手法で社員に発信していました。その中で、「なぜ全員が一堂に会するイベントをやるのか?」と考えた時、情熱や熱量、一体感って、リアルタイムじゃないと伝わらないと思ったんですよね。オンラインであれば、そうしたことが実現できる、また双方向でコミュニケーションが取れるLIVE配信型のオンライン開催でいこうと自信をもって決めました。

Q.オンライン化によって、どんな取り組みと苦労がありましたか?

山田:工夫したポイントは2つ。それは「感情をきちんと伝えること」と「学習効果を高めること」でした。1つめにおいては、Mission/Value 実現に向けた主体的な感情を伝えることで、受け取った側はそれを自分ゴト化し、行動まで促したいと考えていました。だから、トッププレゼンテーションでは、熱量や本気度を込めた自分の言葉で想いを語り、社員への期待を伝えていただくため、トップ自らが事前に「伝える」為の準備や練習を重ね、本番に臨みました。

西出:同様に、アワードのファイナリストにもプレゼンテーションを行っていただくのでValueに基づき行動した意義、苦労や乗り越えた先の感情を自分の言葉で伝えるため、オンライン画面を通しての表情や感情表現も含め、何度もトレーニングを行いました。
山田:もう1つの「学習効果を高めること」では、トッププレゼンテーションを聞いて、個人がどう感じたのかを言語化し、チャットで共有して、司会がインタビューで触れる。アワードも8組のプレゼンをただ聞くのではなく、1組終了するごとに感じたことや学びを言語化し、チャットで共有し、周りの意見に触れる、というチーム学習の構造を回 し、日常転用に繋げることを意図してやりました。
戸井:こうした工夫を実現するために、一番苦労したのがインフラ整備でした。もちろんインフラは必要条件ではなく十分条件ではありますが、システム、各拠点での中継、双方向性技術、ネットワーク整備、事前確認、事前テストしかり、全てが肝でした。例えば視聴環境も、部署ごとに会議室で集まって見るのは密だからダメ、自席で見ると会社のネットワークが逼迫してダメ。最終的に参加者へ事前調査して、自宅のネットワークで見れる人、パソコンの設定で見れないけど社用携帯なら見れる人、パソコンで見れず社用携帯もない人への対応など、参加者約5,000名の視聴方法を特定して個別アプローチしました。すると、問い合わせが約1,000件も寄せられたりと、この対応にはチーム全員が奔走しました。
他にも、前例のないオンラインイベントだけに、何かをやろうとすると何かが引っかかることを繰り返し、苦労は続きましたが、前例がないことに「やってみよう!」と言ってくれる社風に助けられ、IT テクノロジー部門、法務、総務、情報セキュリティなど、管理部門の全部署がこの挑戦を応援し、惜しみない協力をしてくれたことで、実現まで漕ぎ着けることができました。

リアルイベントを上回る高い満足度を、オンラインイベントで達成

Q.「Mission Value Day」では、どんな成果がありましたか?

戸井:正直、イベントは3時間半の長丁場で、各地域会場(東京、名古屋、岡山、広島)からの配信もあり、離脱させずに集中させられるか、安定して配信できるかなど、懸念はありましたが、最大限の努力はしました。その結果、アンケートでは予想以上の高い数値がでて、嬉しさとともに驚きました。社員総会のアンケートは、前回を大きく上回る回答率85%で満足度が80%の快挙です。なかでも「リアルと変わらないくらい想いや熱量を感じた」という回答を数多くいただき、きちんと届いていることを実感できてホッとしました。

原田:トッププレゼンテーションの満足度も高かったですね。理解も共感も90%以上でした。また、コミュニケーションが不足しているコロナ禍において、全国拠点の社員が登場してくれたことで「意外と社員の顔が見えるね」という声をもらったり、Career SBUに誇りを感じ、より会社へのエンゲージメントを高められたことを、感想から感じることができました。

西出:当日のアワードも、受賞者全員が過去最高のプレゼンテーションをやり遂げてくれました。受賞者プレゼンで90%以上の方が気づきや学びがあったと評価していただき、「アワードを見て元気になりました、頑張ろうと思いました」といったポジティブなアンケート結果を多数見ることができて、本当に嬉しかったです。こだわりを持って伝えれば、リアルとオンラインの差はそんなにないというのが、今回の大きな発見でした。

山田:オンラインイベントならではの双方向性の実現によって、考えや意見を発信し、共感・理解が深まり、リアルイベントよりも温度感高く、飽きさせずに集中して見ていただけたことが、満足度に対する影響として大きかったと思います。

Q.「Mission Value Day」成功の秘訣はどこにあったと考えますか?

戸井:しんどいながらも楽しく走り抜けられたのは、「この人たちのために頑張りたい」と思わせてくれる社員の皆さんがいたこと。私たち人事は、そうした社員がお客様ですから、そこに何ができるかを考えることが重要で、まさにMission Value Dayはその絶好の機会でした。とはいえ、Mission/Valueは一朝一夕で浸透するものではありませんから、社員が「ここで働いてよかった!」と思えるように、これからも様々な挑戦を続けていきたいと思います。

西出:私はアワードでプレゼンする皆さんと密に接する中で、この素晴らしい仕事や成し遂げたことをきちんと伝えたいというのが自分のモチベーションでした。業務外にもかかわらず時間を割いてくれて、ぎりぎりまでプレゼンを直してくれて、そういった登壇される皆さんの想いを無駄にしてはいけない、その舞台を整えなければならないと強く思っていました。これからも、社員がMission/Valueを自分ゴト化し、語っていただける文化を醸成できるよう、Mission/Valueの浸透を進化させていきたいです。

原田:最後は苦難ばかりで、こんなに苦労しても前向きに頑張ってくれる戸井や西出や他のチームメンバーがいるのに、失敗は嫌!絶対に成功させたい!この苦労を泡に終わらせたくない!後悔しないようにやりきる!そんな気持ちでやっていました。私たちは、お客様の前面に立つ存在ではありませんが、私たちにもできること、や らなければならないことはたくさんあると実感しました。今後は、このMission Value Dayが点ではなく線となるように、より前後のコミュニケーションをさらに延ばし、効果的なコミュニケーションをデザインして、会社や自分たちの仕事を、もっと誇りにつなげていきたいと思います。

山田:振り返れば、とにかくやらなくてはいけないことのボリュームが多く、スピードも半端なく求められました。それにもかかわらず、しっかり考え抜いたことと、膨大な量の問い合わせにも全て対応するなど、常に社員への顧客志向、その先の目的志向を持って頑張ってくれたからこそ、大成功に繋がったのだと思います。今回は「いつもの社員総会」から脱却し「意味のある場にしたい」という目標は達成しました。次の目標は、これを内向きのイベントで終わらせるのではなく、外に繋がる場にすること。お客様や社会への価値提供に繋げていくイベントへと進化させていきたいですね。

  • 無料セミナー開催中
  • インナープランディングのお役立ち情報をご紹介!