支援事例

住商建物株式会社

50周年事業

半世紀にわたる歴史を継承し更なる発展に繋げることを目的に
様々な取り組みを実施

住商建物株式会社

住宅・不動産の総合企業として、住まいに関する様々なニーズにワンストップ・フルラインの体制で対応し、住友商事グループの住宅事業の一翼を担う住商建物株式会社。2014年12月、創立50周年を迎えた同社は、半世紀にわたる歴史を継承し更なる発展に繋げることを目的に、1年間を通して様々な取り組みを実施した。プロジェクト期間2013年11月~2014年12月

50周年は、お互いのことを知る絶好の機会

Q. まずは、50周年事業に取り組み始めたきっかけからお聞かせください。
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植松社長:私は2012年の6月に住商建物の社長になったのですが、たまたま2014年が50周年だということが分かって、こりゃ大変だと。なにかしなくちゃいけないと考え始めました。
弊社の社員は皆、非常に良い人達で、本当に良い仕事をするのですが、良い仕事をする割に見合った収益があがっていない、自分たちの会社のことや持っている強みをあまり認識していないのではないかと、感じていました。
当社は住友商事のマンション事業と同じ50年の歴史を持つ会社であり、マンションの販売・管理・リフォーム・流通などの仕事を一気通貫でやれるところが大きな強みですが、それぞれに個別で動いてしまっていて、せっかくのビジネスラインが融和していない。そこを繋げるのに、社員の皆が集まるイベント、お互いのことを知る研修が必要だと考えたのですが、50周年はその絶好の機会でした。
「50周年にふさわしい会社になろう、それはどういうものなのかを皆で考えよう」というテーマを掲げ、東中さんと一緒に2013年の夏くらいから準備を始めました。

東中氏:社長から「50周年やろうよ」と声掛けがあり、事務局を務めるよう指示を受けてから、自分なりの50周年へ向けたスケジュールを手探りで作り始めました。当初から、周年事業の目的を、50周年にふさわしい会社を考える「研修」と置いて、2つのことを考えていました。
1つは、委員会を結成し、そのメンバーが学んだことを仕事場に持ち帰り、社内に広める存在になってもらうこと。もう1つは、直接に社員全員が集まる場を持つこと。この2つを50周年事業のメインに考えていました。後者からスタートするプランもあったのですが、現実に全員が集まる機会を設けることは難しく、まずは各ビジネスラインから代表者を選出し、委員会メンバーを結成することからスタートし、ホームページをリニューアルすることから始めました。自分たちが訴えたいことが何なのかをもう一度原点に立ち返って考え直してみようと。

前例も、正解もない

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東中氏:ところが、メンバーは単に記念品を作ったり、イベントを企画したりするのが、50周年事業なのだろうという先入観を持っていて、最初はどことなくちぐはぐな感じでした。何故自分たちが集められたのか、これから何を考えていくのか、まだ誰もはっきりとは理解していなかったんですね。私自身も、自分なりにインターネットで調べたり、本を読んだりして勉強していたのですが、どれも結局は会社としてソツなく周年事業をこなす指南書みたいなのばかりで・・・。
そんなときに、たまたまリンクさんのセミナーを聞きに行って、目からウロコというか渡りに舟というか、これや!と。自分が何となく考えていたことは間違っていなかったと思いました。それで、そのセミナーをウチの社内で再現してもらえないかと相談した(リンクイベントプロデュースに声を掛けた)のがきっかけです。

Q. 具体的に、50周年事業を進めていく上で、どのようなことが困難でしたか?

東中氏:まずは何をやるのかを決めるところから苦労しました。住商建物は創業者一族が1つの事業をずっとやってきた会社ではなく、住友商事の関連会社であり、社長も創業者一族の人ではない。仕事も総合不動産企業としてビジネスラインがいくつもある。社員もプロパーから中途まで多様で、東京と大阪の拠点で歴史が異なり、さらに仙台にも支店がある。だからシンプルに「こういう周年事業をやろう」と心ひとつに始めることは難しく、まず「周年事業とは」ということを社員とともに考えることから組み立てる必要がありました。
そこには正解がなく、だからこそやりがいもあったのでしょうが、やはり大変でしたね。

50周年への過程を通して、社内の温度を高めていく

Q. それを一緒に考えたのが委員会メンバーということですね。
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東中氏:はい。ここからはリンクさんにもご協力いただきながら進めていきましたが、委員会メンバーは月に1回のペースで集まっていました。最初、他部署のことや委員会の活動内容を少しずつ理解し、それを毎回、自分の仕事場に持ち帰るところから始めました。委員会発足から3ヶ月目に行った宿泊研修も、委員の意識形成の上で一つの節目になったと思います。しかし、通常業務もある中で25名の委員の意思疎通を図るのは難しい。だからといって、社長や事務局の私がすべて決めてしまっては、委員のメンバーのモチベーションも下がってしまう。
委員会を4つに分けて活動し、また月に1回、委員のメンバー全員が集まる会議も継続しましたが、そこで各グループの取り組みを共有することで皆が全体像を把握することができ、結果としてブレないで最後まで進めることができたと思います。

Q. 他に、進めていく上で気をつけていたことはありますか?

東中氏:出来る限り色々な立場の社員の意見を聞くことです。住商建物にはいろんなビジネスラインがあり、それぞれの経験年数も幅広い。そのような隔たりを越えて皆が一つの会社にいるという意識を持ってもらえるよう、各ラインからバランスよくメンバーを選びました。委員会を4つに分けたグループのひとつに、社内広報を担当するグループをつくったのも良かったですね。
社員の多くは50周年なんて言われてもピンと来ないので、会社全体を盛り上げるのはなかなか難しいのですが、少しずつ社内の温度が高まっていきました。たとえば50周年新聞などは、委員会の活動が見えるようになり、社員が50周年の取り組みを知るきっかけになったのではないかと思います。

率直に言い合える雰囲気に

Q. 50周年を終えて、どのような変化がありましたか?
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東中氏:自分たちの会社の歴史を知っていく過程で、多くの気づきがありました。歴史を紐解いていくと、様々な会社がくっついたり離れたり、様々な歴史を経ながら様々なビジネスをやりながら発展してきた会社なんだということに改めて気づき、これまでを築いてきた先達に感謝しないといけないという気持ちが強く湧いてきましたね。他にも、社内にリフレッシュコーナーを作ったり、ラッピングバスなどによる社外へのアピール機会が増えたりと、目に見える変化もあります。
自社が50周年企業であると社外にアピールしたことで、50周年にふさわしい会社としての仕事をしなければならないと、自分たちへのプレッシャーにもなっています。

植松社長:社内の雰囲気は変わったと思います。
夏の社内フォーラムの頃までは、「なぜ自分達がこんなことをやらないといけないんだ」という空気感や、一部には「もう委員会のメンバーをやりたくない」という雰囲気もありましたが、今では率直な意見を言い合えるようになりました。リフレッシュコーナーも、作っていく中で社員から意見が上がってきて、当初の計画から少し変わったんですよ。
こういうセッションが社内でできるようになったのも、50周年の取り組みを経て得ることができた一つの大きな成果だと思っています。

大切なことは、トップの本気とメンバーの一体感

Q. 50周年事業の成功の秘訣は何ですか?
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東中氏:そうですね・・・やはりトップの本気じゃないかと思います。正解がない取り組みだからこそ、やりとげる強い意志と、臨機応変な軌道修正が不可欠になります。 社長には多忙の中、各段階での事前準備など、毎回綿密にきちんと打ち合わせしていただき、的確な軌道修正をしてもらいました。委員会にも毎回出席され、そういう社長の意気込みが皆に伝わったのが大きかったと思います。私自身も気が付いたら本気でのめり込んでしまっていました。そういう意味で、社長自らがこだわりを持って取り組まれたというのが成功した一つの秘訣ではないかなと。思い入れを持たずに、50周年イベントとして漠然とやっていたら全然上手くいってなかったでしょう。

植松社長:リンクさんから研修を受け、周年事業の意義とか、周年同期®の定義とか、何の為に行うのか、私を含め関わる社員の目が覚めたというか、やっと何をするべきかわかったというのが正直なところです。進めていく中で軌道修正もありましたが、正解がないことだから大幅な方向転換も良しとしました。
メンバーは多少混乱したかもしれませんが、事務局や委員会のメンバー皆、一体感をもって最後までよくやりきってくれたと思います。

Q. 今後に向けて取り組みたいことは?

植松社長:社員の意見をベースにした会社としての目標を立てたいです。本当は、50周年の1年間でやりきりたかったんですけどね。
5年後、10年後、どういう会社になっていたいのか、そのためにどれほどの規模になっているのかという、定性・定量的な目標を様々なメンバーを絡めながら考え、形にしたいと思います。

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