ビジョン・中期経営計画発表会

表彰イベント

株式会社スペース様

長期ビジョン浸透プロジェクト

ビジョンの策定と浸透に向けた様々な取り組み

商品の短サイクル・ソフト化や人材の流動化など市場・労働環境がめまぐるしく変化する中、その変化に適応すべくビジョンや中期経営計画を策定する企業も少なくない。今回インタビューをお願いした株式会社スペース様もその企業のひとつだ。商業施設を中心にディスプレイ企画や設計、施工を行う同社。事業の拡大や上場を機に、自社を取り巻く環境は大きく変化した。そんな中、2016年から始まった「長期ビジョン浸透プロジェクト」。ビジョンの策定と浸透に向けた様々な取り組みの裏にはどのような意図や想いが込められているのか。プロジェクトを推進する経営企画室 大村氏、総務人事部 足立氏にお話を伺った。

会社というひとつの“チーム”として、
我々はどこに向かうのか

ビジョン策定に向けたワークショップ
ビジョン策定に向けたワークショップ

大村:弊社では、これまで「業界のリーディングカンパニーを目指す」という方針のもと、中期経営計画をベースに事業活動を行ってきました。しかし、その内容は売上などの定量目標が主で、目指す姿(ビジョン)やそこに向けた道筋といった定性目標が無く、良くも悪くも各事業部に一任されていました。
経営企画室に異動し、初めて中期経営計画の策定に携わりましたが、私自身が現場で感じていた課題を思い切って発信、提案したことがプロジェクト発足のきっかけです。具体的には、改めて自社が目指す姿を言語化すること、そして中期経営計画の策定をこれまでの“積み上げ式”から、目指す姿実現に向けた手段として描く“逆算式”への180度転換しようというものでした。

足立:この10年を振り返ってみると、一部上場や増税などの追い風を受け、会社の業績は向上していました。しかし、その一方で社員は疲れていた。一人ひとりの頑張りではなく、会社というひとつのチームとしての目指す姿やそれに向けた道筋を皆が求めていた時期だったのだと思います。

個々の気づきを手元に残す
個々の気づきを手元に残す

大村:そんな中で、生まれたのが「商空間プロデュース企業」というキーワードです。そして、直近の中期経営計画のテーマである「原点回帰」でした。これまで社内で使用していた「業界のリーディングカンパニーを目指す」という表現から業界における自分達の立ち位置とこれからの目指す姿をより明確にしたフレーズにしています。
当社にとって絶対に必要であると想いを込めて定めた長期ビジョン、絵に描いた餅で終わらせたくはありませんでした。社員の行動に結びつけるには、結果として出来上がった言葉を伝えるだけではなく、「なぜ変えたのか」、「それに伴うメリットは何か」という過程を含めて社員にしっかり伝えることが必要です。とはいえ、日頃考える機会が少ない中長期の“会社事”をいかに“自分事”として社員に捉えてもらうか、私自身が現場にいた時のことを思い返してもそう簡単なことではないと思いました。

足立:「長期ビジョンの発表」と「社員総会企画・実施」は、もとは別々のプロジェクトでしたが、4年に一度全社員が集まる社員総会と長期ビジョンの発表が重なったこのタイミングをうまく活用したいと思いました。

長期ビジョン実現に向けた
経営陣の覚悟を伝える機会に

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

大村:まず取り組んだのが、“経営陣の思いをひとつにすること”です。弊社は、東京・名古屋・大阪3拠点を中心に事業を展開しているため、地域ごとの色が強まり、全社としての統合力が十分とは言えない状況でした。全社として束なるためにも、今回の長期ビジョンは、経営陣全員が賛同し、本気で取り組む覚悟を持っているという“ALL SPACE”を社員に実感してもらうことを意識しました。策定に向けた経営陣内での議論もお互いに妥協せず、かなりの回数を重ねましたね。

足立:それに伴い、総会のプログラム構成や進行スタイルも大きく変更しました。経営陣が決めた事を社員が「聞く(一方向コミュニケーション)」ではなく、情報を社員自らが取りに行く姿勢と手触り感を醸成する「パネルディスカッション(双方向コミュニケーション)」へ。経営陣への質疑応答の機会を設けることで、社員がインプットした内容を、その場で咀嚼する(スループット)を促す工夫もあわせて行いました。

“絶対解”ではなく“共創解”、
社員と共に創り上げる未来

担当された経営企画室大村様、総務人事部足立様
担当された経営企画室大村様
総務人事部足立様

足立:総会後のアンケートではポジティブなコメントが多く寄せられましたが、その中に「社員の意見を聞く場を設けてほしい」という声をもらいました。これまで意見をあまり口にすることのなかった社員が、経営陣の本気を感じて起こしてくれた小さな変化だと思いました。そのアクションに対しては、社員の会社への認識を見える化するサーベイ、その結果を踏まえ意見交換を行うワークショップを実施。初年度に実施をした“経営陣の思いをひとつにすること”からさらに対象を広げ、長期ビジョンの実現に向けた中核を担う人材を増やしていきたいです。
経営方針発表会(拠点ごとに実施)が年末に控えていますが、昨年、実施した社員総会との繋がりをもたせるべく、長期ビジョンを体現した社員やプロジェクトにスポットライトを当てる表彰制度など、様々な企画を進めています。

大村:「ビジョン浸透」は一朝一夕で成せるものではなく、一定の期間をかけてそこに属する社員と向き合っていく必要があると思います。また、様々な施策を個別に実施するのではなく「ビジョン浸透」に向けた一連のストーリーとして推進することの重要性と難しさを今まさに感じています。プロジェクトが始動して1年、超えるべき壁はありますが、決して後ろ向きではありません。ビジョン浸透や中計の実現といった会社創りは、トップや管理部門だけでは成し得ないもの。“All SPACE”の精神で社員を巻き込みながら、ビジョン実現に向けた継続的な取り組み、舵取りをしていきたいと思っています。