支援事例

日本たばこ産業株式会社

JTグループWAY 浸透ワークショップ

“共感力の強化”をテーマに、オフサイトイベントを実施

日本たばこ産業株式会社

「自然・社会・人間の多様性に価値を認め、お客様に信頼される「JTならではのブランド」を生み出し、育て、高め続けていくこと」をグループのミッションと定め、たばこ事業・加工食品事業・医薬事業等、多分野で事業・サービスを展開する日本たばこ産業株式会社(以下JT)。このミッションを果たすために、JTでは、社員一人ひとりが徹底すべき行動規範・価値観として「JTグループWAY」を掲げており、そのひとつに「JTグループの多様な力を結集します」というステートメントがある。変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに対応していくために、ダイバーシティの推進が、多くの企業で課題とされている中、今回、同社経営企画部の社員70名を対象に、多様性を活かすための取り組みとして、“共感力の強化”をテーマに、オフサイトイベントを実施した。従来のオフサイトイベントとは異なる、実効性のあるオフサイトイベントとは。心理学や行動経済学をベースにしたプログラム設計や、システム・コーチング®の要素を取り入れたプログラム内容を紹介する。

当たり前だからこそ難しい、“多様性を活かす”とは

農園に隣接された非日常の空間で実施

2016年に、「新・ダイバーシティ経営企業100選」および「なでしこ銘柄」に選出されたJT。同社では、性別や年齢、国籍だけではなく、性格、経験、専門性など異なる背景や価値観を尊重し、違いに価値を見出すことが、会社の持続的な成長に繋がると考えており、多様化(ダイバーシティ)の推進に積極的に取り組んでいる。今回、対象となった経営企画部も例外ではない。属性、スキル、働き方など多様な社員で構成される同部署では、数年前より“多様性”をテーマにしたオフサイトイベントを年に1度実施してきた。

担当者の落合氏、藤田氏は、過去のオフサイトイベントに一定の成果を認めつつも、「多様性に対する社員の共感は高まったが、実際の業務にはまだまだ活かされていないのではないか、と課題感を持った」と話す。これまでの多様性に対する理解をベースに、いかに日々の業務、すなわちチームとしての力に昇華させていくか。この課題認識が、今回のテーマである“共感力の強化”を選ぶきっかけとなった。同社を担当したリンクイベントプロデュースの齋藤は、「多様性を活かすという当たり前になりつつあるテーマだからこそ、社員一人ひとりに“深く理解”してもらい、具体的な“行動”に落とし込んでいくことが必要である」とその重要性を語る。プロジェクトチームは、この仮説のもと、社員の漠然とした共感を、行動に繋がる理解へつなげるプログラムを作り込んでいった。

浸透フロー図

ただのお楽しみでは意味がない。 業務接続にこだわった体感型プログラム

ダイアログの様子

テーマとして据えた “共感力の強化”。これは、うなずきや目を見て話すといった類のノンバーバルコミュニケーションを鍛えるものではない。社員一人ひとりの思考や行動、感情の裏にあるニーズを汲み取り、それを日常の業務やコミュニケーションに活かすというもの。練り上げられたプログラムは3つのステップに大分される。最初のステップは、「多様性を受容する重要性の理解」。 “多様性を活かす”ことに対する各人の距離感を体現したり、チームで視界を共有することの難しさを体感したりするワークを通じ、参加者の変化に対する心理的障壁を下げるとともに安心・安全な場創りづくりに努めた。

その上で、第2ステップ「多様性の活かし方を知る」では、多様性を妨げる4要素の理解や相手の感情の深層にあるニーズに耳を澄ませる共感トレーニング、個別視点ではなく全体最適や連携視点を養うためのワークを盛り込み、変化への意欲を高めるスキル習得を行った。そして、最後は、同社が特にこだわった「業務との接続」。一連の取り組みも、職場で活かされなければ意味がない。これまでの学びをもとに、日常のコミュニケーションスタイルをどう変えていくのか、具体的な行動目標へと落とし込んでいった。
「多様性を活かす」〜共感力の強化〜

※4毒素/出典 ジョン・ゴッドマン博士

場創り、組織変革のパートナーとして

コミュニケーションを妨げる4毒素理解ワークの様子

LEIがJTのパートナーとして発揮した価値。それは、組織変革の専門家としてのプログラム設計力と、場創りの知見者としてのコンテンツ力だろう。「態度変容プロセス」に基づいたプログラム設計は、組織人事コンサルティンググループの一員として組織、人のワークモチベーションの研究を行ってきたLEIだからこそ。また、コンテンツの幅広さは、多くの企業イベントを手がけてきたからこそである。加えて、専属のファシリテーターが当日の参加者状態に合わせた進行を行うことで、イベント効果を最大限に高めている。

齋藤は、「イベントを点としてとらえるのではなく、事前事後も含めたストーリーとして描く」という視点が重要だと付け加える。組織が抱える宿命を理解し、イベントを通じて“視界”や“時間感”を共有すること、イベント単体(点)ではなく、イベント前後の施策とあわせたストーリー(線)で設計することが、社員の継続的な行動変革を促し、会社の持続成長を担う一手となるだろう。

変わり続ける組織、 だからこそ継続的な活動が重要

ご担当頂いた落合様・藤田様

イベント実施後、落合氏は、「社員達が、日頃、関わりのないメンバーとの交流を通じ、“多様性”に関する各々の価値観を見直す機会を持てたことは、大きな1歩であった」とその成果を語る。また、「まだまだ改善点はあるが、イベント実施前に比べ、コミュニケーション量・質ともに高まったと感じている」とポジティブな部署の変化を話して下さった。加えて、藤田氏は、「イベント実施から1年が経ち、新規入社者や異動者に伴い、部署の人員構成や状況は、常に変化している。組織が変わり続けているからこそ、多様性に対する理解を深め続けていく必要がある」と、継続性の重要性を強調された。

今後の展望は、経営企画部内にとどまらない、部署を超えた‘多様性’の理解推進。対象となる枠を広げていく事が、多様な力を集結した職場を実現させ、JTの持続的な成長に繋がるだろう。

※「システム・コーチング®/ランズ・ワーク®は、株式会社ウエイクアップCRRジャパンの登録商標です」

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